アフマートヴァ詩集 おおばこ より




時折朝から黙って想う 

ゆめが私に歌ってくれたことを
 
紅薔薇と光と 

私のさだめはひとつ 

山肌を雪が流れて 

私は雪よりも白い 

けれど愉しくゆめにみるのは
 
あふれて濁った川の岸辺 

唐檜の灌木の澄んだざわめき 

夜明けの想いにもましてやすらぎに充ちた




(アフマートヴァ詩集 おおばこ より 木下晴世訳)